酒本舗

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五月の酒と本(六)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
花垣

花垣(福井)
花しずく・純米
300ml/525円


麹米の地元産五百万石を50%、掛米の日本晴を60%精米して9号酵母で醸した純米酒。度数は15.5度とちょい高めで、味の幅があるすっきり系の純米酒。+3度にしては結構辛く感じる。蔵元は「北陸の小京都」大野市の七間通りにあり、明治34年(1901)から酒造りを始めた南部酒造場[創業は享保18年(1733)]。日本百名水の一つ「御清水(おしょうず)」を仕込み水としている。肴は馬刺。

束縛

メランコリー・ベイビー

束縛/メランコリー・ベイビー
ロバート・B・パーカー著/奥村章子訳

「あんたが危ない目にあうのを黙って見てるわけにはいかないんだ。例の熊に頼んだらどうだ?」
「スパイクのことですか?」
「そうだ」
「自分の手には負えないってことをまだ認めたくないんです。これからもこの仕事を続けていくつもりなら、危ない目にあいそうだからといって、男の人に助けてもらってばかりいるわけにはいかないので」
(束縛「52」より)


サニー・ランドルシリーズの第三作と第四作。正直なところ、マッチョな世界を書き続けてきたパーカーが女性探偵を主役に据えるってどうよ?と、本シリーズを敬遠していたファンも少なくないだろう(自分がそうだ)。そしてジェッシイ・ストーンシリーズ「秘められた貌」に登場したサニーに惹かれ、結果的に本シリーズにはまったという人も同数いるだろう(自分がそうだ)。マッチョなパーカーが描く“自立を目指す女性”が、どこまで現実世界で“自立した”女性達の共感を得られるのか疑問だが、強く賢くセクシーでありながら、葛藤しつつも己の限界点で周囲の男性の力に頼るサニーは、男の自尊心を満たす存在としては可愛く魅力的だ。
さらに、スペンサーシリーズで毎度情熱的に主人公と愛を交わしているスーザンが、サニーのかかりつけの精神医というクールな「表」の顔で登場しているのも、著者のファンにとっては心憎い人物配置である。

ドクター・シルヴァマンは、小さな診察券に曜日と時間を書き込んで差し出した。わたしはそれを受け取って、拳銃の入ったバッグにしまった。
「彼と離婚して五年になるんです」とわたしがいった。「その間、おたがいにほかの人と付き合ったこともあるんですよ。なのに、なぜこんなにつらいんですか?」
「その理由を一緒に探って行きましょう」ドクター・シルヴァマンはそういって立ち上がり、わたちを戸口へうながした。
(メランコリー・ベイビー「5」より)


(2008/5/14更新)

 
 
   

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