| 楽天が巨人に勝つ日
スポーツビジネス下克上
田崎健太
今のプロ野球界で、選手の年俸総額が二十億円程度では、強いチームは作れない。ただ、二十五億円から三十億円あれば、飛び抜けたチームは作れないかもしれないが、三位以内、つまりクライマックスシリーズに出場できるチームはできる。(第四章「『地元密着』と『健全経営』という終わりなきゴール」より)
「読売」中心の旧態依然たる球界の体質に一石を投じ、健全な球団経営を実現するためのビジネスモデル構築に、あるいは選手育成の新たな仕組み作りに挑んだ男達を描いたドキュメンタリー。東北楽天イーグルスや四国アイランドリーグが創設された舞台裏で、それぞれの思いを胸に野球と関わり続ける有名無名の人々の生き様が、荒削りではあるが熱っぽくまとめられている。
新球団の創設は、かつての「プロ野球ニュース」の名キャスター・佐々木信也氏が活躍した高橋ユニオンズ以来、球界では50年ぶりの出来事だった。そんな千載一遇の機会に自ら手を上げて参画し、事業計画の構築、スポンサーの獲得、イベントの企画、ファンクラブの立ち上げ、グッズのプロデュース、査定の仕組み作り等の仕事に、寝食を忘れて打ち込む貴重な体験をした人達が心底羨ましい。
IBLJの合同自主トレーニングは二〇〇五年三月初頭から、香川県で始まった。旅館の座敷に選手たちは雑魚寝。壁には翌日の練習スケジュールが貼られ、トレーニングウェアなどの野球用品の他、野球雑誌が転がっている。まさに合宿という雰囲気だ。
ユニフォームは間に合わず、全員真っ白のユニフォームに白い帽子。各自様々な色のアンダーシャツを着ていた。背中には、姓名が書かれた布が貼り付けてある。(第七章「四国から野球界を変える」より)
(2008/6/20更新)
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