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藤村のにごり酒(長野)
もち米四段仕込
1800ml/1733円
島崎藤村の名作「千曲川旅情のうた」の一節を元に名付けられたのがこの「藤村のにごり酒」。もち米四段仕込による旨みと素朴な甘味が特徴。原料米は67%まで磨いた新美山錦と美山錦で、9号酵母を使用。
八重洲の立ち飲み処「呑うてんき」にて。片口に入れて出してくれたのが何とも風情があって良かった。肴はキャベツとベーコン炒め、コンビーフ缶、ピリ辛ウインナー缶、さつま揚げ、ハムカツ、イカの塩辛etc.
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臥竜の天(上)(下)
火坂雅志
「わしはお手前を、血を分けたわが息子のように思う」
どこまでが本気か、家康は肉親のような親しみを込めた目で政宗を見つめた。
「それゆえ、ひとこと申しておく」
「何でござりましょうか」
「刃物は肚に呑んでおけ」
低く、つぶやくように、家康が言った。(第十章「棘の道」より)
「臥竜」と聞くと、諸葛孔明の異名を思い浮かべる人も多いだろう。天へ昇ることを宿命づけられている竜が、時機をうかがいながら地上でじっとその身をたわめている姿を指す言葉である。
そして孔明、政宗の二匹の臥竜とも結局は天に昇り詰めることは出来ず、特に後者は天下人たり得る剛胆さと器量を併せ持ちながらも、わずかに秀吉、家康より遅れてこの世に生まれた不運を呪うしかなかった。それでも不屈のしぶとさを持つ隻眼の暴れ竜は、関ヶ原の戦い以降全ての戦国大名達が次々と家康に牙を抜かれる中、海の向こうのローマ法王を引き込んでまで徳川から天下を奪わんと、最後まで見果てぬ夢を追い続けた。
山岡荘八の「伊達政宗」を先に読んでなかったら、十分の出来だと感じただろう。
「それでも、わしはやる」
政宗は昂然と胸をそらせ、
「天下に向かって挑みつづけることが、わしがこの世に生まれた意味だろう。挑むのをやめるとき、それはわが命の尽きるときだ」
きっぱりと言い放つ口もとに、爽やかな風のような微笑が刻まれた。(第二十一章「遣欧使節」より)
(2008/6/29更新)
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