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人はなぜバーテンダーになるか
海老沢泰久著
こう見えても(?)スナックやクラブでホステス相手に他愛もない話をするのが苦手だ。だから一人で飲む時は、オーソドックスなショットバーを探す。そしてつかず離れず、客との絶妙な距離感を持つバーテンダーに出会うと、つい嬉しくなって1、2杯余分に飲んでしまうことも少なくない。
「バーテンダーというのは、自分で注文をとって、自分でつくって、自分でお客さんにそれを出すわけでしょう。ですから自分の人間というものがお客さんの前に全部出てしまう。それが怖いんですよ。・・・いつも自分をみがいて中身をたくわえていないと、すぐに空っぽになっちゃいますから。」(銀座「バーロオジエ」上田和男)
「そのときのお客さんの状態に一番よく合った飲み物をつくってお出しするというのがバーテンダーの仕事なんです。・・・そういうふうに考えると、バーテンダーが疲れるというのは、体ではなくて頭がくたくたになるぐらい疲れるんじゃないと駄目なんですよ。」(名古屋「オード・ビー」小森正清)
いつか自分の耳で、こうした味な言葉を酒場から集めて誰かに披露してみたい。
(2003/5/6更新)
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