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下町酒場巡礼
大川渉/平岡海人/宮前栄著
「構えを見て『いい店に違いない』とぴーんとひらめく時がある。さらに、夜の街を歩いていて飲み屋の暖簾やちょうちんが『ここは酒も肴もいいからおいでよ』と呼び掛けているような感覚にとらわれる時もある。別に酒毒がまわって頭がおかしくなったわけではない。」(第三章「店構えに吸い寄せられて」より)
東京出張の時、早く仕事にケリが付くと、たまに明るいうちから蕎麦屋で呑むことがある(たまにですよ)。別に蕎麦屋でなくてもよいのだが、常連客がカウンターで大きな顔をしている飲み屋さんと違い、誰に対しても分け隔てなく静かに呑ませてくれる雰囲気があるので、独り呑むには居心地がよいからだ。
でもこの本に紹介されている下町の大衆酒場なら、ふらりと行ってもよいかなあ。
「エイヒレを頼んだ。親父さんは、まず酒を振りかけ湿らせ、焼き始めた。裏表に焼き目をつけると、今度は、振りかけたとき受け皿に残った酒をもう一度エイヒレにかけて皿に盛った。最も簡単な肴である乾き物にこれだけ手をかけるのに感心した。・・・『美は細部に宿る』という。こうした仕事ぶりを見ただけで、店の善し悪しがたいてい分かるものだ。」(第一章「煮込みには焼酎が似合う」より)
(2003/6/25更新)
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