酒本舗
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五月の酒と本(三)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
菊水ふなぐち

菊水(新潟)
ふなぐち一番しぼり本醸造純生原酒
200ml/276円


行きつけの酒屋は日曜休業が多いので前日迄に買いに行かねばならないが、バタバタしていて行き損ねてしまい、飲む酒を切らしてしまう事がたまにある。そんな時はコンビニで、適当なおつまみとこの菊水ふなぐち一番しぼりを買う。昭和47年の発売というから、まさに搾りたて生酒の嚆矢とも言える商品。
まず蓋を開ける時のプシュッという鮮度感がいい。グラスなしでそのまま飲めるカジュアルさがいい。下手な生酒を凌ぐ清新な口当たりがいい。原酒ならではのズッシリ感がいい。コクがありながらも色んな肴に合わせやすいクセのない味がいい。製造日から開缶までの時間経過によって微妙に味わいが異なるのがいい。1缶200mlなので飲んだ量が計りやすいのがいい(2缶でほろ酔い、3缶で満足)。度数が高いため早くイイ気分になれるのがいい。そしてこれだけ褒める所が多いのに、200円台というお値打ち価格が何と言ってもいい!

ケータイを持ったサル

ケータイを持ったサル
正高信男

「そもそもケータイを使いだすと、常に身につけていないとどうも不安な気分に陥るらしい。さきほどまで会っていた相手と離れるや、ただちに『元気?』とか、あえて伝える価値のない情報を交信している。しかしそんなことは、大昔からサルがやっていたことなのだ。ニホンザルも起きている間中、誰かとつながっていないと落ち着かないようである。」(第三章「メル友を持ったニホンザル」より)

成熟した大人になるのを拒否する今どきの若者を、気鋭のサル学者が学問的に分析した本というので、結構期待して読み始めた。ただその期待感は「はじめに」の2p目で、(そんな態度で大丈夫なの?)という不安感に変わってしまった。

「私は携帯電話を持っていない。だから『メル友』もいない。」

おや、そんな頑なな態度のまま、“ケータイを持ったサル”の心理分析をしていいのだろうか?おまけに前後の文面から察するに、携帯電話を持たない自分を少し誇らしく感じている様にも受け取れるし。
サル学の領域なら、自身がサルになれない以上“客観的観察”というアプローチを取らざるを得ないけど、ケータイは今すぐ「0円」で持てる訳だから、まずは持つ事から生まれる“世界観”を身をもって体験した上で持論を展開するのが、フェアな姿勢じゃないかなと思う。そもそも公共の場所で傍若無人にケータイで話すサルの多くは、著者の世代のオヤジ達だったりするのだから。

「・・・もっと心理的な要因が、子を持つことを控えさせているのではないだろうか。
乱暴な表現だが、若いカップルにとってそれは『誰かについて全面的に責任を引き受けることへの恐怖』とでも表現できるのかもしれない。あるいは、『自分たちが依存される対象となることへの嫌悪』と言いかえても差し支えないだろう。」
(第六章「そして子どもをつくらなくなった!」より)

(2004/5/13更新)

 
 
   
   

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